シバジ（韓国）の出演者一覧
シバジ（韓国）主演女優カン・スヨンの詳細プロフィール
韓国映画「シバジ」（1987年）の主演を務めたカン・スヨンは、本名を姜受延（강수연）という。1966年8月18日にソウル特別市で生まれ、2022年5月7日に56歳で他界した韓国を代表する女優の一人である。
参考）https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%A8%E3%83%B3
カン・スヨンは1971年に子役として『しっかり者の冒険』でデビューし、1976年の『私は告白する』で映画デビューを果たした。その後、東明女子高等学校を経て、高麗大学校言論大学院に学んだという学歴を持つ。
「シバジ」での演技は国際的にも高く評価され、第44回ヴェネツィア国際映画祭女優賞および1987年ナント三大陸映画祭で主演女優賞を受賞した。これにより、カン・スヨンは韓国国内において「ワールドスター」と称されるようになった。
📽️ 映画「シバジ」では、両班の家に雇われた代理母オンニョ役を演じた
🎭 1985年の『Wの悲劇』での演技が評価され、子役スターから成年俳優への転換点となった
🌟 俳優のキム・ソックンは6親等の親戚という意外な関係性もある
カン・スヨンは2000年にはイタリアの映画祭で回顧展が開催されるなど、国内外で高い評価を確立した。彼女の演技は「韓国の溝口健二」と呼ばれるイム・グォンテク監督との相性が特に良く、数多くの作品で協力関係を築いていた。
参考）https://natalie.mu/eiga/film/801404
シバジ（韓国）男性主演キャストのイ・グスン詳細
映画「シバジ」で男性主演を務めたイ・グスンは、李九淳という漢字表記を持つ韓国の俳優である。作品中では、跡継ぎの男子に恵まれない両班（地方名家）の当主サンギュ役を演じた。
参考）https://eiga.com/movie/45274/
イ・グスンが演じたサンギュは、妻のユン氏（パン・ヒ演じる）に促されて、気が進まないながらもシバジのオンニョとの交合の儀式に臨むという複雑な役柄である。物語が進むにつれて、金で結ばれた関係に過ぎなかったオンニョと心から愛し合うようになっていく。
参考）https://www.weblio.jp/content/%E3%82%B7%E3%83%90%E3%82%B8
🎬 両班の当主という重要な役柄を演じ、朝鮮王朝時代の男性の立場を体現
💔 代理母との禁断の愛を描く繊細な演技が要求される役
👑 封建制度の中で家督相続に悩む男性の心境を表現
サンギュ役のイ・グスンは、オンニョが男の子を産んだ際に涙を流しながら彼女を抱き締めるシーンなど、感情的な演技が印象的である。しかし同時に、身分制度の中で別れを受け入れざるを得ない男性の複雑な心境も表現している。
シバジ（韓国）脇役キャスト一覧と役どころ解説
映画「シバジ」には、主演のカン・スヨンとイ・グスン以外にも重要な脇役キャストが多数出演している。
参考）https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%90%E3%82%B8
ハン・ウンジン（韓銀珍）
サンギュの母親役を演じた。息子の跡継ぎに悩み、シバジを受け入れることを決める大奥様として、封建社会の女性の立場を体現している。「祝祭」でも印象的な演技を見せたベテラン女優である。
参考）https://ameblo.jp/chuunenfan2/entry-12469664254.html
パン・ヒ（方姫）
サンギュの妻ユン氏役を担当。28歳にして子を成さず、姑の決定を受け入れる若奥様という難しい役柄を演じた。コリアン・エロスの代表格として知られる女優で、夫にシバジとの関係を促す複雑な心境を表現している。
ユン・ヤンハ
チホ役で出演。物語の展開に重要な役割を果たす脇役として登場する。
参考）https://press.moviewalker.jp/mv15709/
🎭 主要脇役は全て女性キャストが占めており、女性の視点を重視した作品構成
👵 年配女優から若手まで、世代を超えた女優陣が集結
🏛️ 朝鮮王朝時代の身分制度を反映した役柄設定
この作品では「四人の女性が主役」と評される構成になっており、カン・スヨン演じるオンニョの母親役にはキム・ヒョンジャが起用されている。彼女は『新・貴公子』『クッキ』などのコミカルな役から想像もつかない重厚な演技を見せている。
シバジ（韓国）キャスト陣の撮影当時の年齢と経歴
映画「シバジ」の撮影は1986年に行われ、1987年3月21日に韓国で封切られた。この時期の主要キャスト陣の年齢や経歴には興味深い事実がある。
カン・スヨン（撮影時20歳）
1966年8月18日生まれのカン・スヨンは、撮影当時まだ20歳という若さであった。子役時代から15年以上のキャリアを持ちながら、成人女優としての転換期にあたる重要な作品となった。17歳の処女オンニョを演じるには適切な年齢設定だったと言える。
年齢設定と現実のギャップ
作品中でオンニョは17歳の処女という設定であり、実際のカン・スヨンの年齢に近かったことが、演技のリアリティに大きく貢献している。一方で、サンギュの妻ユン氏は28歳という設定で、子に恵まれないことが物語の重要な要素となっている。
📅 1986年制作、1987年公開という時代背景
🎬 子役から成人女優への転換期を迎えたカン・スヨン
⭐ ベテラン脇役陣との演技的な化学反応
この作品の成功により、カン・スヨンはその後も継続してイム・グォンテク監督作品に出演することになった。1989年の『ハラギャティ 波羅羯諦』では仏門と俗世の狭間で迷いながら修行を続ける比丘尼スンニョ役で、第16回モスクワ国際映画祭および第27回大鐘賞映画祭で主演女優賞を受賞している。
撮影当時の韓国映画界では、まだ国際的な評価を受ける作品が少なかった中で、「シバジ」は韓国映画の国際的地位向上に大きく貢献した記念すべき作品となった。
シバジ（韓国）出演者たちの知られざる撮影秘話
映画「シバジ」の撮影には、一般的にはあまり知られていない興味深い秘話がいくつも存在する。イム・グォンテク監督は「韓国の溝口健二」と称される映画作家として知られており、その演出手法にも独特なものがあった。
カン・スヨンの演技準備
主演のカン・スヨンは、シバジという特殊な職業を演じるため、朝鮮王朝時代の女性の生活について詳細な研究を行った。特に、李朝末期の身分制度や代理母制度について、歴史的な文献を調べながら役作りに臨んだとされる。17歳という設定に合わせ、当時20歳だったカン・スヨンは、より若々しく見えるよう体重管理にも気を配った。
撮影技法へのこだわり
イム・グォンテク監督は、朝鮮王朝時代の雰囲気を忠実に再現するため、照明や色彩に特別な配慮を行った。特に、オンニョとサンギュの愛情シーンでは、自然光を最大限に活用し、人工的な照明を極力排除する撮影手法を採用した。
🎨 朝鮮王朝時代の美術考証に1年以上の準備期間
🎭 キャスト陣の役作りのため、実際の歴史資料を活用
📽️ 95分という上映時間に込められた緻密な構成
国際映画祭での反響
ヴェネツィア国際映画祭での上映時、西欧の観客にとって「シバジ」という概念は全く馴染みのないものであった。そのため、映画祭では特別に解説パンフレットが配布され、朝鮮王朝時代の社会制度について詳しい説明が行われた。カン・スヨンが女優賞を受賞した際、彼女は韓国語でのスピーチを行い、通訳を通じて感謝の気持ちを表現した。
この作品は単なるエンターテインメントを超えて、韓国の歴史的・文化的背景を国際的に紹介する役割も果たしており、韓国映画の海外進出の先駆的な作品となった。撮影から30年以上経った現在でも、韓国映画史における重要な作品として高く評価され続けている。