ひかり探して(韓国)の出演者一覧
「ひかり探して」は2020年製作の韓国映画で、新鋭パク・チワン監督による長編デビュー作です。本作は台風の夜に失踪した少女の事件を追う女性刑事を中心とした社会派ヒューマンドラマとして、第57回百想芸術大賞で最優秀脚本賞、第42回青龍映画賞で新人監督賞を受賞するなど高い評価を受けました。
ひかり探して(韓国)の主演キム・ヘスの演技と経歴
主演のキム・ヒョンス役を演じるキム・ヘスは、韓国を代表する実力派女優です。本作では休職を経て復帰した女性刑事という複雑な役柄を演じ、その役作りのためにノーメイクで撮影に挑みました。
キム・ヘスの主な経歴と特徴:
- 「10人の泥棒たち」「シグナル」「ハイエナ-弁護士たちの生存ゲーム-」などの代表作
- 強いキャラクターから繊細な感情表現まで幅広い演技力を持つ
- 1981年生まれのパク・チワン監督にとって「幼い頃からの憧れの俳優」
- 刑事のような専門職の演技で観客に安心感を与える能力
本作でのキム・ヘスは、「とても疲弊してやつれている必要があったので、私自身も同じようなコンディンションを維持するように努めました」と役作りについて語っており、その徹底した姿勢が高く評価されています。監督のパク・チワンも「個人的にはキム・ヘスさんの悲しげな目元を長く見ていたいという気持ちが強かった」と述べ、彼女の表現力の高さを絶賛しています。
ひかり探して(韓国)のイ・ジョンウンの役柄と演技の見どころ
イ・ジョンウンは「パラサイト 半地下の家族」で世界的な注目を集めた実力派女優で、本作では「スンチョンから来た人」という聾唖の女性役を演じています。この役は過去の事故で声を失った重要な目撃者という設定で、台詞がない中での感情表現が求められる難しい役柄です。
イ・ジョンウンの演技の特徴:
- セリフがなくても普段のように感情を伝える表現力
- キム・ヘスと同世代でありながら異なるキャリアを築いてきた実力
- 「役者としてとても良い顔をこの映画で見せていた」とキム・ヘスが賛辞
- リハーサル時も相手の演技に集中する真摯な姿勢
監督は「お互いにリスペクトの気持ちが大きく、そのお二人と一緒に映画を撮れたことは監督としてとても幸せでした」と両女優の共演について語っており、キム・ヘスとイ・ジョンウンの初共演が作品に深みを与えていることがわかります。
ひかり探して(韓国)の脇役キャストの魅力と役柄
「ひかり探して」には主演の二人以外にも、韓国ドラマ界で活躍する実力派俳優が多数出演しています。それぞれが物語の重要な役割を担い、作品の完成度を高めています。
主要な脇役キャスト一覧:
- ノ・ジョンウィ:チョン・セジン役(失踪した少女)
- ドラマ「その年、私たちは」「18アゲイン」に出演
- 複雑な役どころを演じ、監督から「その明暗がとても良かった」と評価
- キム・ソニョン:ミンジョン役
- ドラマ「愛の不時着」にも出演している実力派女優
- 物語の重要な要素を担う役柄を演じる
- イ・サンヨプ:パク・ヒョンジュン役(元刑事)
- 少女の保護観察を担当していた元刑事として重要な情報を握る人物
- 主人公ヒョンスが事件の真相に近づく鍵を握る役柄
- ムン・ジョンヒ:キム・ジョンミ役
- 少女の家族という重要な立ち位置の役柄
- 連絡が途絶えた状況を演じる
ひかり探して(韓国)のキャスト陣が築く独特な作品世界
「ひかり探して」のキャスト陣は、単なる配役を超えて作品全体の雰囲気作りに大きく貢献しています。特に女性キャスト3人と女性監督という構成は、この作品独特の視点を生み出す要因となっています。
作品世界を築く要素:
- 女性の視点による社会問題への切り込み
- 社会派サスペンスとしての側面を持つ本作において、女性監督と女性キャストが作り出す独特な視点
- 少女の失踪事件を通じて描かれる社会の闇への鋭い洞察
- キャスト間の化学反応
- 4人の女性(3人のキャスト+監督)が撮影現場で築いた特別な関係性
- 「とても良い顔をこの映画で見せていた」という相互の認め合い
- メソッド演技による没入感
- キム・ヘスの徹底した役作り(ノーメイク、コンディション調整)
- イ・ジョンウンのセリフなしでの感情表現への挑戦
- ノ・ジョンウィの複雑な役柄への取り組み
監督のパク・チワンは本作について「何の関係のない人の人生も私に影響を及ぼし、その人から与えられた力で明日を生きることができる、そんなパワーが与えられるお話だと思います」と語っており、キャスト陣の演技がこのメッセージを体現していることがわかります。
ひかり探して(韓国)の監督とキャストの裏話とメイキング秘話
「ひかり探して」の制作過程では、新人監督パク・チワンと実力派キャスト陣との間で多くの興味深いエピソードが生まれました。8年間かけて脚本を練り上げた監督の情熱と、それに応えるキャスト陣の姿勢が作品の質を高めています。
制作の裏話:
- 8年間の脚本制作期間
- パク・チワン監督が初稿から完成まで8年をかけて脚本を練り上げた
- 映画会社のマーケティング部門で働きながら構想を温めた長期間の準備
- 島での過酷な撮影条件
- 台風シーンを含む自然環境での撮影
- キャスト陣が語る「過酷な撮影当時」の貴重な映像が残されている
- 監督のキム・ヘスへの思い
- 「幼い頃からトップスターで、独自の演技スタイルを作り上げて来た憧れの俳優」
- 「ヒョンス役をキム・ヘスさんが演じることになったのが私にとって一番の幸運でした」
- キャスト間の相互尊敬
- キム・ヘスとイ・ジョンウンの初共演での相互リスペクト
- 「二人のシーンがあまり多くなくて、惜しいほどでした」という監督のコメント
作品への評価と受賞歴:
- 第57回百想芸術大賞最優秀脚本賞受賞
- 第42回青龍映画賞新人監督賞受賞
- 韓国発!社会派サスペンス最前線として注目
この作品は単なる娯楽作品を超えて、社会問題に切り込む韓国映画の代表作として位置づけられています。キャスト陣の熱演と監督の社会への鋭い視点が組み合わさることで、観客に深い印象を残す作品となっています。2022年1月15日の日本公開時には「日本の観客に会えると思うとワクワクして嬉しいです」と監督がコメントしており、国境を超えた作品の普遍性を示しています。