GABI 国境の愛の出演者一覧
GABI 国境の愛 主演キャストのプロフィール
映画「GABI 国境の愛」の主演を務めるのは、韓国を代表する実力派俳優陣です。
チュ・ジンモ（イルリッチ役）
本作でロシア軍に追われながらもタニャを守るためにスパイとなるイルリッチを演じるチュ・ジンモは、これまでにも「霜花店」や「愛」といった恋愛映画で高い評価を得てきた俳優です。彼は本作について「愛という言葉から心の中のものを吐き出すこと、そこから出てくる感情表現が好きだ」と語っており、恋愛映画への深い愛情を持つ俳優として知られています。
キム・ソヨン（タニャ役）
朝鮮初のバリスタという歴史的な役柄を演じるキム・ソヨンは、「IRIS-アイリス」や「検事プリンセス」といった話題作に出演した実力派女優です。チュ・ジンモは彼女について「心構えや誠実さが今まで共演した俳優の中で最高だ」と絶賛しており、その演技力の高さが伺えます。
GABI 国境の愛 高宗皇帝を演じるパク・ヒスンの魅力
パク・ヒスンが演じる高宗皇帝は、1896年という激動の時代を生きた実在の人物です。本作では王妃である明成皇后だけでなく、国の主権まで失った悲運の王として描かれています。
パク・ヒスンは本作について「デビュー以来初めて王の役を演じた」と語っており、国と民を心配する心を繊細な演技で表現し、観客の心を掴みました。彼の演技により、混乱の時期にロシア公使館に逃避せざるを得なかった高宗皇帝の複雑な心境が見事に表現されています。
王室の威厳と人間的な脆さを併せ持つ高宗皇帝の人物像は、パク・ヒスンの巧みな演技力によって深みのあるキャラクターとして描かれています。彼はこの役で従来の冷徹で知的なイメージとは異なる、より人間味のある王を演じ切りました。
GABI 国境の愛 ユソン演じるサダコの重要な役割
ユソンが演じるサダコは、朝鮮系日本人という複雑な立場のキャラクターです。物語の中で高宗皇帝暗殺作戦にイルリッチとタニャを巻き込む重要な役割を担っています。
ユソンは1976年生まれの韓国女優で、本名はワン・ユソンです。韓国芸術総合学校演劇院を卒業し、2001年にテレビドラマ『未必の故意による愛』でデビューしました。2009年にはKBS『ソル薬局の息子たち』で看護師役を演じ、最高視聴率約49パーセントを記録した話題作に出演しています。
本作でのサダコ役は、ユソンのキャリアの中でも特に印象的な悪役として記憶されています。彼女の陰謀によって物語が大きく動き出すため、作品全体において欠かせない存在となっています。
GABI 国境の愛 脇を固める実力派キャスト陣
主要キャスト以外にも、本作には多くの実力派俳優が脇役として出演しています。
オム・ヒョソプ – タニの父親役を演じ、物語に深みを与える重要な人物です。彼の存在により、タニャの家族背景がより詳細に描かれています。
キム・ウヒョン（金友賢） – 劇中で重要な役割を担う人物として登場します。彼の演技により、複雑な人間関係がより鮮明に描かれています。
チョ・ドクチェ – スパイ儀典官という特殊な役柄を演じています。政治的な陰謀が渦巻く時代背景を表現する上で重要なキャラクターです。
キム・ミニョク – たけだ役として出演し、日韓関係が複雑だった当時の国際情勢を表現するキャラクターを演じています。
イ・チャンセ – 別入侍（ピョルイプシ）として宮廷内の緊迫した雰囲気を演出しています。
GABI 国境の愛 キャスト選定の独自性と製作秘話
「GABI 国境の愛」のキャスト選定には、監督チャン・ユンヒョンの独特な視点が反映されています。特に興味深いのは、チュ・ジンモが単なる出演者としてではなく、脚本の構成にも深く関わったという点です。
チュ・ジンモは「最初のシナリオ草稿にはターニャと高宗だけで、イルリッチはいなかった」と明かしており、自身が演じるイルリッチというキャラクターの創造に大きく貢献しました。監督から「半分は君に任す」と言われ、シナリオ構成と登場人物の相関図、一人ひとりのキャラクター構成を任されたのです。
この製作過程により、単なる恋愛映画ではなく、政治的陰謀と愛情が絡み合った複雑な物語が生まれました。キャスト陣の熱演により、1896年という激動の時代を生きた人々の姿が見事に描かれており、朝鮮初のバリスタという珍しい題材を扱った作品として高い評価を得ています。
映画は2012年に公開され、日本でもDVD化されるなど、韓国映画ファンの間で話題となりました。豪華キャスト陣による熱演と、歴史的背景を丁寧に描いた脚本により、韓国映画史に残る作品の一つとなっています。