イ・サン出演者一覧とあらすじ
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イ・サンの主要キャスト一覧と配役詳細
「イ・サン」の主要キャストは豪華実力派俳優陣で構成されています。主人公イ・サン役には『チェオクの剣』『火の鳥』などで知られるイ・ソジンが抜擢されました。朝鮮王朝第22代王・正祖となる人物で、父の悲劇を乗り越えて民のための理想の王を目指します。
ヒロインのソン・ソンヨン役はハン・ジミンが演じています。図画署で画員を補佐する「茶母」として働き、幼い頃に出会ったイ・サンにずっと思いを寄せる役柄です。ハン・ジミンは『宮廷女官チャングムの誓い』『復活』などで高い評価を受けています。
パク・テス役のイ・ジョンスは、イ・サンとソン・ソンヨンの幼い頃からの友人を演じます。武官を目指しながらもなかなか勉強に身が入らず、賭け相撲でお金を稼ぐ日々を過ごしますが、最終的にはイ・サンの護衛官となって生涯を通じて主人公を守り抜きます。
主要キャスト一覧:
- イ・サン(正祖):イ・ソジン
- ソン・ソンヨン:ハン・ジミン
- パク・テス:イ・ジョンス
- 英祖(ヨンジョ):イ・スンジェ
- 貞純王妃:キム・ヨジン
- ホン・グギョン:ハン・サンジン
- 孝懿王后:パク・ウネ
- ファワン翁主:ソン・ヒョナ
- チョン・フギョム:チョ・ヨヌ
イ・サンの物語構成とあらすじ展開
「イ・サン」は全77話で構成される壮大な歴史ドラマです。物語は主人公サンの幼少期、世孫時代、王としての治世の3部構成で進行します。
第一部:幼少期(1762年〜)
サンが11歳の時、王位継承者であった父・思悼世子(サド世子)が謀反の濡れ衣を着せられ、祖父である英祖によって米びつに閉じ込められて死に至らしめられます。この時、夜中に父のもとへ食料を届けようとするサンを、女官見習いのソンヨンと内官見習いのテスが助け、三人の絆が生まれます。
第二部:世孫時代
父を救えなかった無念と、父が最後に残した「聖君になれ」という言葉を胸に抱き、王位継承者となったサンは祖父・英祖から王としての哲学や手腕を学びます。一方で、サンの父を陥れた黒幕とその一派は朝廷内にはびこり、今度はサンの廃位や暗殺を企みます。
第三部:王としての治世
ついに正祖として即位したサンは、朝鮮王朝の改革を強く志します。科挙制度の改革や奎章閣の設立、華城の建設などを通じて国家の発展を目指しますが、保守派との対立や宮廷内の陰謀に直面し、常に葛藤を抱えながらも前進していきます。
イ・サン登場人物の詳細な人物像と関係性
「イ・サン」の登場人物たちは複雑な人間関係と政治的対立の中で物語を織り成します。
英祖(イ・スンジェ) は、サンの祖父で朝鮮王朝第21代王です。非常に厳格ですが民を大切にする良き王として国を統治しており、息子を手にかけた心の傷を抱えながらも孫であるサンを王として育て上げようとします。演じるイ・スンジェは韓国の大ベテラン俳優で、『ホジュン』『馬医』など多くの時代劇で活躍し、2024年KBS演技大賞では歴代最高齢で大賞を受賞しました。
貞純王妃(キム・ヨジン) は英祖の継妃で、老論派を率いてサンと激しく対立する最大の政敵として描かれます。サンの即位を阻止しようと様々な策略を巡らせる重要な敵役です。
ホン・グギョン(ハン・サンジン) はサンの側近として卓越した知略でサンを支えますが、後に権力に溺れて悲劇的な最期を迎える複雑な人物です。この人物の変化は物語の重要な転換点となります。
ファワン翁主(ソン・ヒョナ) は英祖の娘でサンの叔母にあたり、実の兄である恩悼世子とは仲が悪く、恩悼世子に謀反の疑いがかけられるよう裏で暗躍した人物です。その後も貞純王妃と手を組んでサンの即位を阻もうと試みます。
これらの人物相関は朝鮮王朝の複雑な政治情勢を反映しており、視聴者にとって理解しやすいよう巧みに描かれています。
イ・サンのあらすじに込められたテーマ性
「イ・サン」の物語には正義と権力というテーマが深く込められています。主人公イ・サンは父である思悼世子の悲劇的な死をきっかけに、正義を追求し、権力を正しく行使しようとする姿が一貫して描かれています。
正義の追求という核心テーマ
イ・サンは父の名誉回復を生涯の目標とし、正義を実現するために奮闘します。このテーマは視聴者に対して正義の重要性とそれを追求する困難さを強く訴えかけます。王位に就いたイ・サンは腐敗した政治体制を改革し、民衆のための政治を行うことを目指しますが、既得権益を持つ保守派との対立を招きます。
人間の成長と葛藤
イ・サンの心理描写では、幼少期のトラウマと決意が詳細に描かれています。父の死に対する深い悲しみと怒りが彼の内面に複雑な感情を生み出し、父の遺言「聖君になれ」を胸に刻んで正義と改革を志す姿勢が形成されます。
政治的な孤独と人間関係の複雑さにも苦しむサンにとって、幼馴染のソンヨンや忠実な側近ホン・グギョンとの関係が精神的な支えとなりました。これらの人間関係が彼の改革への意志を支える重要な要素となっています。
イ・サン制作背景と脚本家の独自視点
「イ・サン」は『ホジュン』『宮廷女官チャングムの誓い』『薯童謡』を手がけたイ・ビョンフン監督が演出を担当しました。脚本はキム・イヨンが手がけており、音楽はイム・セヒョンが担当しています。
史実とフィクションの巧妙な融合
このドラマの特筆すべき点は、史実を基にしながらもドラマ独自の創作要素を巧みに織り交ぜていることです。ソンヨンの設定やテスの存在は史実を基にしたドラマ独自の創作であり、これらの人物設定が物語に深みと親しみやすさを与えています。
制作の工夫と演出技法
イ・ビョンフン監督は朝鮮王朝史上最も波乱万丈の生涯を送った正祖の人生を、77話という長編構成で丁寧に描き上げました。各話のあらすじ構成では、政治的陰謀と人間ドラマのバランスが絶妙に保たれており、視聴者が飽きることなく最後まで楽しめる工夫が随所に見られます。
キャスティングへのこだわり
主演のイ・ソジンは『チェオクの剣』『階伯』などの時代劇での経験を活かし、王としての威厳と人間味を両立させた演技で高い評価を受けています。ハン・ジミンも『宮廷女官チャングムの誓い』での経験を活かし、身分の壁を超えた愛を表現する繊細な演技力を発揮しています。
このような制作陣の努力により、「イ・サン」は単なる歴史ドラマを超えた、普遍的な人間ドラマとして多くの視聴者に愛され続けています。2007年の韓国での放送開始から現在まで、世界各国で再放送が繰り返されているのも、その完成度の高さを物語っています。